スポーツの集中力を高める方法 4つの集中力を使い分けよう

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今や日本では「集中力(しゅうちゅうりょく)」という言葉はスポーツや部活の場面に限らず、日常生活でよく使われる言葉の一つです。

スポーツでいいパフォーマンスをしたい、仕事でいい成果を出してキャリアアップしたいという時に、集中力がなければそれらの目標は達成する事ができなくなってしまいます。

プロのスポーツ選手になるとか、起業して成功するなどの大きな夢や目標を達成したい、豊かな人生を送りたいと強く願う人にとっては、「集中力」があることが大きなウェイトを占めていると言っても過言ではありません。

しかし、この「集中力」という言葉。ライフハックやメンタルトレーニングなどの記事でもよく見かけますけど、「具体的に集中力って何なの?」と聞かれても、具体的に答えられる人はそういないと思います。

今回は、アメリカの臨床心理学者で、スポーツ選手のメンタルトレーニングを担当してきたR・ナイデファーが提唱した、4種類の集中の理論をまとめます。

集中力は4パターンに分けられる。

R・ナイデファーは、集中に関する「4つの注意(集中)のスタイル」を提唱しています。

彼は、注意を向ける対象には2つの次元、すなわち「注意の向きが外側or内側」「注意の範囲が広いor狭い」があり、その組み合わせによって、注意の種類は4通りに分けることができるという説です。

ここで注意と集中という2つの言葉が出ていますが、これは英訳で「集中力」のニュアンスをもつ単語が2種類あることから派生しているものです。

注意の英訳は「アテンション(attention)」で、「○○に注意をする」という意味ではなく、「注目」「注目を集める」という意味の英単語です。

キャビンアテンダントの人がよくやる「アテンションプリーズ!(みなさん注目してください!)」というセリフを意識すれば、アテンション(注意、注目)という集中力に近いのニュアンスが理解しやすくなります。

一方、集中の英訳は「コンセントレーション(concentration)」で、精神的に集中することや、や専念などの意味をもつ英単語です。

「四つの注意(集中)のスタイル」を図に表すと以下の通りになります。

注意の向きが外側 注意の向きが内側
注意の範囲が
広い
外界に心がひらかれており、広く注意を払っている状態。(状態1) さまざまな考えを検討したり、思いをめぐらしている(状態2)
注意の範囲が
狭い
外界に反応して、一点集中して行動を起こす。(状態3) 心のなかで問題に対する解答を決定する(状態4)

ここで登場した「注意の向き」とは、自分自身の外側の事は自分が置かれた環境や状況などの自分の外側の世界に関する事、内側の事は自分の心や内面などの自分の内側の世界に関する事と考えるとわかりやすいです。

一方「注意の範囲」とは、広ければより俯瞰的で広範囲の対象に意識を向けている、狭ければ一箇所や限られた狭い範囲の対象に意識を向けている状態となります。

それでは図にある、各状態の説明された集中に関して、スポーツの場面を例にして詳しく説明していきます。

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(状態1) 「外側、広い状態」

集中する対象も多いのでたくさんの情報を見ることができている、かつ自分が今いる状況や立場などの外側の世界を見てい状態。

多くの情報を手に入れることができる一方で、情報過多になりやすく次に何をすればいいのか混乱してしまう事もあります。

とくにスポーツの試合では、敵・味方・監督・コーチ・観客・天候などの多くの情報が入ってくるので、情報過多で混乱してしまったときは、意図的に注目する対象を狭めることが効果的。

(例)

・サッカーの試合中に、敵味方のポジションをよく観察して把握している状態。

・陸上長距離や駅伝のレース中、集団全体のペースや風向き、残りの距離などについて把握している状態。

(状態2) 「内側、広い状態」

状態1同様に集中する対象も多いのでたくさんの情報を見ることができている、かつ自分の内面や心などの内側の世界を見ている状態。

多くの情報を手に入れて戦略や戦術を立てることができる一方で、考えすぎてストレスや不安に襲われてしまう事もあります。いわゆる脳内一人会議真っ最中のような状態で、会議がヒートアップしてしまうと行動に移せなくなることもあります。

もしも不安やストレスに襲われたら意図的に考えるのをストップして、気持ちを切り替えることで調子を取り戻すことができます。

(例)

・サッカーの試合中に、たくさんの情報を元に自分はどういうプレーを取ればいいのだろうか…と考えている状態。

・陸上長距離や駅伝のレース中、たくさんの情報を元に自分がどのタイミングで仕掛けていくうか…と考えている状態。

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(状態3) 「外側、狭い状態」

集中する対象が狭いので限られた情報を見ている、かつ自分が今いる状況や立場などの外側の世界を見ている状態。

外界からの情報を元に、ここぞという時で集中している、一点集中し待機している時の状態です。

情報が限られているので一点集中が空回りになる場合も多く、その場合は一歩引いて視点から情報を集めて、また一点集中にもどると言うような気持ちの切り替えが効果的です。

・サッカーの試合中、自分が思い描く1つのいいイメージのパスで、前方にいる味方にボールを渡せる瞬間が来るのを待っている状態。

・陸上長距離や駅伝のレース中、先頭集団のさらに数人だけに注目し、仕掛けるタイミングをうかがっている状態。

(状態4) 「内側、狭い状態」

集中する対象が狭いので限られた情報を見ている、かつ自分の内面や心などの内側の世界を見ている状態。ごく少数の思考や身体の感覚に注意を向けるときに必要とされます。

限られた情報の中で考えているので、より掘り下げて具体的な思考ができるようになりますが、早とちりや勘違い、的外れな考えにつながってしまう場合もあります。

また、自分が置かれている状況が変わっているのに気がつかないままで、一人取り残されてしまうという事も起こります。

そうならないためにも、ときどき自分が置かれている環境を確認したり、広い視野を持つのが効果的です。

(例)

・サッカーの試合中、自分が思い描く1つのいいイメージのパスで、前方にいる味方にボールを渡せるように、頭の中でどうすればいいか考えている状態。

・陸上長距離や駅伝のレース中、先頭集団のさらに数人だけに注目し、仕掛けるタイミングや仕掛けた後のシナリオを頭の中で考えている状態。

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集中力は状況に応じて使い分けよう

スポーツのように敵・味方・監督・コーチ・観客・天候などの多くの情報があり、時間の経過とともに状況がコロコロと変わっていく場面では、集中する向きも対象も、状況に応じて使い分けて行くことが、いい結果を出すためには大切になります。

よく緊張感をほぐすために「広い視野を持とう」「物事を上から見渡す、俯瞰的な目線で試合を見よう」というアドバイスがありますね。

しかし、だからと言って広い視野ばっかりでは、自分がここぞというチャンスがきて、その時に全神経を集めて集中してプレーする事は難しく、結果として何もできないまま試合終了ということになってしまいます。

もちろん、緊張や強いストレスがかかる場面では、視野が狭くなりケアレスミスやチーム内でのコミュニケーションのミスなども発生してしまいます。そういう場面で「視野を広くもとう」というアドバイスをするのは、ストレスや不安を減らす意味で効果があります。

「広い視野を持つ」「視野を狭めて集中する」などのアドバイスは、どんな場面でも通用する考え方ではなく1つの考え方に過ぎません。

大切なのは、状況に応じて集中する対象や範囲を切り替えて、いいメンタルの調子を保つことです。

国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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