自分が腹の底と抱いている本音を正直に話す事は、非常に勇気が要るものです。また、本音を言ったからといって状況が必ず好転すると言うわけではありません。
例えば、仕事を辞めたいと言う本音を抱いているとしても、そのことを正直に職場の人に告白した結果、急によそよそしくなって冷たい態度を取られたり、逆に過度に心配されて「なんだか悪いことをしてしまったのではないか…」と言う自責の念に襲われることがあるものです。
結果として、本音を打ち明けて状況がギクシャクなるぐらいなら、誰にも本音を打ち明けず、自分1人で抱えたほうがマシだと考え、誰にも本音を打ち明ようとせず自分ひとりで抱え込み、ストレスを我慢をして生きることを選んでしまう。
しかし、やっていることはストレスを延々と溜め込んでいることなので、放置すればキャパシティーを超えて心身の不調(例:不眠、倦怠感、情緒不安定)として出てしまう恐れがあります。
そうならないためにも、適宜自分の本音の部分を主張して、ストレスを抱え込みすぎないようにすることは肝心です。また、自分だけが抱え込無用な状況を自分で作り出さないためにも、ある程度本音を打ち明ける事は欠かせません。
今回はそんな誰にも本音を言えない人が、ストレスから解放されて楽になるためのコツについてお話しいたします。
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目次
最初から本音を全部出そうと意気込まない
まず、本音を言うときは、最初から自分が抱えている気持ちや感情全て出し切ってしまおうと意気込まないことが肝心です。
特に今まで多くのことを我慢我慢してきた人からすれば、我慢の限界を迎えて今まで抑圧してきた感情がすべて本音と言う形でとどまることなく溢れ出てしまうことがあるものです。まるで、普段は優しい人が耐えに耐えるものの、堪忍袋の緒が切れて感情がドバっと出てしまことがいい例です。
確かに、今まで積もり積もったものが多ければ多いほど、本音を全て出し切れば爽快感は強いかもしれませんが、一方で乱暴な言葉遣いになってしまったり、自分の信用を失うような取り乱した行動をとってしまい、取り返しがつかなくなる恐れもあります。
そうならないためにも、最初から本音を全部出し切郎としないようにしましょう。
例えば「まずは言いたいことの3分の1程度だけ言う」と言う具合に、1回あたりに出せる本音の量を決めておき、言い過ぎないように心がけることが大事です。
もしも量で換算するのが難しければ、本音を言える時間(分、秒単位で決める…など)で決めておきそのルール通りに動くように意識してみるのも良いでしょう。
他人がどれだけ本音で生きてるとかどうとかを気にせず、自分のペースでやるようにしましょう。
「本音を言えば必ずうまくいく」という思い込みは控える
今まで本音を言うことを我慢してばかりの人からすれば「本音を言えば不要な我慢から全て解放され、状況がすべて好転するはず」と夢見ていることもあるでしょう。
しかし、冒頭でも触れたように、本音を出した結果として、自分の望まないような状況になってしまったり、かえって自分が居づらくなる状況になることもあり、必ず自分の思い通りになるわけではありません。
せっかく勇気を振り絞ってリスクを取って本音を言ったのに、自分の期待通りにならなかったら、強いショックや失望を感じてがっかりしてしまう問題を防ぐためにも、「『本音を言えば必ずうまくいく』と言う思い込みを自分が持っていなか?」と自分自身を客観的に見てみることが大事です。
また、自分自身を客観的に見るためには、ある程度冷静で落ち着いた状態でいることも欠かせません。
本音を出せなくても自分を責める必要はないと考える
例えば、グループ内でいじられキャラを演じているものの、内心はいじられキャラが苦手であり正直やめてほしいと言う本音を抱いている人にとって、正直に本音を訴える事は、グループ内での自分の居場所をなくしてしまう不安があるものです。
そうした不安があるからこそ、本音を正直に言いたくても言い切れない、嫌な事をはっきり嫌と言い出せず情けない自分が嫌になることもあるでしょう。
しかし、本音が言えないからといって自分を強く責めてしまっては、余計に気持ちが辛くなりるのは言うまでもありません。
そうならないためにも、本音を言えない自分を責めないこと、そして後述するように本音を言うことそのものをルーティン化することを取り入れてみるようにしましょう。
ルールを決めて本音を言うことそのものをルーティン化するのも方法の一つ
本音を言うにしても、事前に迷いや戸惑いを感じて実行にうつせないのであれば、ルールを決めてルーティン化するのも方法の1つです。
例えば、「本音を言いたいと感じている相手と会う場合、5回中1回は本音を言うように心がける」と言うように「〇回中1回は本音を言う」とルールを事前に決めておき、そのルール通りに行動してみるのです。
他にも、不快なことを言ってくる人がいれば「1回目は見過ごす、2回目は優しく注意する、3回目は厳しく本音で注意する」と言うようにルールを決めるのも良いでしょう。
「仏の顔も三度まで」と言うことわざにもあるように、「これ以上ふざけるのなら我慢はしませんよ」と言う基準を定めておき、その基準を超えたら毅然とした態度で本音を伝えるようにしてみましょう。
本音を言う時の言葉のチョイスは慎重に
本音を言うときはどうしても感情的になってしまうため、「バカ」「アホ」などの乱暴且つ粗暴な言葉遣いになってしまったり、ストレートすぎて相手を深く傷つけてしまうことがあるものです。
きつい言葉で喋ってしまうと、たとえ本音の内容がいくら正しくて理屈にかなっているものであっても、相手も感情的になってしまい言い争いになってしまう恐れがあります。
そうならないためにも、なるべく丁寧かつ上品な言葉遣いや話し方を心がけ、真剣であることを伝えるように心がけてみましょう。
イメージをするなら、ただ怒り狂う人になるのではなく、冷静かつ淡々と、そして的確に相手の心に訴えかけるように自分の本音を伝えてみるようにしましょう。
なお、これらの本音を言うための方法は、リアルの人間関係に限らず、ネット上の人間関係でも同じです。
ただし、ネットの場合は、自分も相手も顔が見えないので、つい行動がエスカレートしてしまいやすく、また言葉が記録として残って不特定多数に拡散されて炎上を招くリスクがあります。
ネット上においては、無理に本音を言うよりは適度に距離を置いたり、アカウントをミュートorブロックして関わりを絶つことを本音を言う代わりに取り入れてみるのも方法の一つです。
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