ある有名人のファンであったり、そのファン同士で語りあっている人、あるいは自分自身でイラスト、文章、音楽、動画作成などの作品を発表している人にとって厄介なのが「アンチ」の存在だと思います。
ネット上で交流をする上ではアンチの存在は避けては通れないものであり、いわれのない誹謗中傷やクソリプで精神的に疲れてしまったり、作品発表をするのが怖くなり萎縮してしまうことがあります。
現代はネットの発展…とくに、SNSの発展により、今までなら中々出会えなかった自分と共通の話題・趣味を持つ人と簡単に繋がれるようになった一方で、出会わなければ幸せだったアンチの人とも簡単に出会える世の中と言っても過言ではありません。
そのため、アンチを見ても気にしないコツやスルースキルを地道に学んで行くことが、SNSが当たり前の世の中を生きていくためには大事なことだと感じます。
今回は、そんなアンチを気にしないためのコツについてお話いたします。
目次
まずは「どうしてアンチが気になるのか」を知る
所詮アンチはアンチでしかなく、発言内容は無視してスルーしてしまうのが理想ではありますが、どうしてもアンチの意見が気になってしまい、逆に自分からアンチの方に粘着してしまう…なんて事もあるものです。
例えばエゴサーチをしたり、あえて「○○ アンチ」で検索するという行動を無意識のうちにしてはいないでしょうか。
このような「アンチは嫌だ…でも見てしまう!」という矛盾した行動を防ぐためにも、まずはどうしてアンチに執着してしまうのかについて知ることが大事です
自分がアンチに対して執着する理由がわかれば、その理由に対して対策を講じることができ、結果としてアンチを気にしないようになれるのです。
アンチが気になってしまう心理の例
それでは、以下にアンチを気にしてしまう人の心理についていくつか紹介していきます。
他人の顔色や評判を気にする癖がある
リアル・ネットの世界に関係なく、いつも他人の顔色や評判を気にしてしまう癖があるために、たとえ見なくてもいいアンチの意見ですらも、一人の他人の意見として見てしまい執着してしまうことがあります。
他人の評判が気になるのは、自分の応援している作品、あるいは自分の作った作品がどう思われているのかが気になるという事も影響しています。
とくに、自分で何かの作品をネット上でアップしている人の場合、自分の作品がどのような反応・評価を得ているのかが気になるのはいたって自然な心理とも言えます。
アンチも一意見なので無視されるよりはマシだと感じている
自分が応援している、作ったものをネット上で語り合おうとしても、残念ながら語り合える仲間が見つからないという事もあります。
ネット上で多くの人とであると言っても、SNSによっては年齢層や趣味嗜好に偏りがあったり、リアルの世界同様にネットユーザーも流行にも流されマイナーなネタはいつまでもマイナーで、あるネタについて楽しく語り合うことそのものができなかった…ということはあるものです。
そんながっかりした状況でふと見かけてしまったアンチの意見というものは、何も語り会える人がいない状況と比べれば、方向性は違っていても同じネタを元に語り会える同志とも言えるのです。(ただし喧嘩みたいな言葉の応酬にはまりますが…)
何より、アンチの意見というのはとにかく過激で歯に衣着せぬもの言いのため、下手をすればファンや楽しく語り会える仲間からのコメントよりも刺激的で印象に残りやすいものでもあります。
今まで語り合うことすらできなかった人からすれば、これだけ情熱的なコメントを残してくれる人は、内心は厄介だと感じていても実はファンとの交流よりも妙に充実していると感じてしまった結果、アンチをなかなか無視できなくなり、アンチの方向を向いたコメントを繰り返してしまうのです。
アンチに対して無視することができない生理的な嫌悪感を抱いている
アンチのように攻撃的で強い意見を述べる人は、言い換えれば集団の和を乱す存在です。
普段から仲良くすべき、空気を読むべき、人間関係の和を乱すべきではないという道徳的な価値観に則り、自分の欲望やわがままを抑圧している人からすれば、まさにアンチの存在は抑圧している欲望を刺激する厄介な存在です。
仮に、アンチが自分や自分が応援している人・団体とは関係ない相手に対して攻撃しているとしても、その存在を見るだけで「生理的な無理な人」と感じてしまい、無視しようとしてもむしするのが難しくなるのです。
(たとえは最低ですが)言い換えればアンチはゴキブリです。
多くの人にとってはゴキブリはできれば視界にすら入れたくない脅威だと言えます。(アンチの人すみません…)
ですが、現実では「ゴキブリが1匹いればその家にはそれ以上の大量のゴキブリが…」という怖い話にもあるように、1匹退治したところでゴキブリが家から完全にいなくなるというものではありません。
次のゴキブリが出現して嫌な思いをしないためにも徹底的に駆除しなければず、結果としてゴキブリ退治に執着してしまう人が多いものです。
これと同じように、一度アンチという見ないようにしていた由々しき存在を認知してしまうと、たとえ意図的に見ないようにしていても、ふとした時にアンチのことが気になってしまいゴキブリ退治同様に執着してしまうのです。
アンチの言っていることにも一理あると感じている
アンチの意見と言っても、何も誹謗中傷やクソリプばかりではなく、中には言葉は荒々しいものの真っ当な指摘をしている事もあります。
とくに、スポーツや芸能、ビジネスの世界でのアンチだと、自身の経験や知識の豊富さからくる批評家のようなアンチもそれなりに見かけるものです。
このような真っ当なアンチの多くは、ファンがすんなり受け入れるような優しい言葉ではなく、精神的な逃げ場すらないストレートな「正論」を用いて指摘をしてくるために、精神的に余裕がない人からすれば、ただ痛いところを突いてくる嫌な人(つまりアンチ)と受け取られてしまいます。
しかし、真っ当な正論であるだけに「実はあのアンチが言っていることにも一理あるのでは…?」という疑念も捨てがたく、なかなかアンチの存在をスルーできなくなるのです。
まともなアンチの声を聞き入れる事がアンチを気にならなくなるための一つのコツ
大抵のアンチの意見は真っ当な指摘や批評とは程遠い、誹謗中傷や支離滅裂な言葉の羅列です。
- 人格否定の言葉
- 見当違いの意見
- 根拠ない嘘やデマ
のような、まともでないアンチの声に対しては、そもそも「まともな意見ではないな」と感じていれば、無視するのはそこまで難しいことではありません。
しかし、上でも触れたように正論や真っ当な指摘のようにまともなアンチの声に対して、自分のプライドが傷つけられる気がして、つい感情的に拒絶したりブロックしてしまっては、結果としてそのアンチの声が頭から離れなくなることになります。
もちろん、まともなアンチの存在自体ごく稀なものですし、仮に真っ当な意見だったとしても自分に受け入れるだけの余裕がないと、馬の耳に念仏状態になってしまいます。
しかし、うまく言葉にできないけど「アンチの意見に対して一理あるな…」と感じた場合は、その意見を少しだけ受け入れて見て自分の糧にしてみることで、アンチに対する執着が消えることがあります。
もちろん指摘を一度で全部受け入れようとするのは、相当強いメンタルを持っている人でも難しいものです。
ですので、まずは真っ当な指摘を受けたら何回かに分けて分割して受け入れてみたり、時間をかけてじっくり読み直して受け入れてみる、などの負担を軽くしたやり方で受け入れるようにしてみるのがいいでしょう。
アンチも一人の人間。自分の思い通りにコントロールできないことを理解する
繰り返しになりますが、大半のアンチは理不尽で八つ当たりのように誹謗中傷を行う困った存在です。
運悪く出会ってしまうと
- 「もっと素直になって楽しめばいいのに」
- 「嫌なら見なければいいのに」
とアンチに対してツッコミをしたり、「~すればいいのに」とアンチに対して「自分の思いどおりに動くべきだ!」という感情を抱くものの、その通りにならずうんざりしてしまうことがあるものです。
しかし、アンチと言っても中身は自分と同じ人間です。仮にbotでアンチコメを自動投稿していていもそのbotを作った人間がいる以上は、botも根底は自分と同じ人間です。
ですが、忘れてはいけないのは「他人を完全に自分の思い通りにコントロールすることはできない」ということです。
子育てで子供を自分の思い通りのいい子に育てようとするものの、反発されて理想の子にならずに落胆する親のように、たとえアンチという見たくない相手であっても、その行動を自分の思い通りに完璧にコントロールすることはできないものです。
他人を自分の思う通りにコントロールできないという当たり前の事実について理解しておくことが、どうしても目障りなアンチに対してつい執着することを避けるための知恵なのです。
アンチの声に疲れたらSNSと付き合い方を変えてみる
いくらSNSでミュートやブロックをしてもアンチのコメントは油断した瞬間に目にしてしまい、うんざりしてしまうものです。
不可抗力でアンチを視界に入れてしまうのを防ぐためには、SNSとある程度距離を置くようにしたり、アカウントの削除や一定期間ネット断ちをして気分が落ち着くまで時間を置く事も大事なことです。
SNS疲れを防ぐためにも、適宜SNSとの距離感や付き合い方について見直して行くことが、精衛生上重要だと言えます。
余談:「アンチを気にするな」という意見と胡散臭いビジネス
余談ですが
- 不可思議なスピリチュアルビジネス
- 胡散臭いネットビジネス
- 怪しい自己啓発セミナー
- プロブロガーなどのネットで簡単にお小遣い稼ぎができます的なサロンの主催者
の中には、参加者に余計な知恵が付くと胡散臭いことをやっていることがバレてしまうのではないかという不安から、やたらと主催者の意見を揺るがす意見や反対意見を敵視する人が目立ちます。
主催者からすれば、当然ながらせっかく集めた参加者(=カモ)を手放すわけにはいかないので、参加者に対して「それは怪しいよ」と真っ当な指摘をしてくる人は敵とみなされます。
真っ当な指摘をする人を揃いも揃ってアンチ認定し「アンチは僻みや嫉妬だから無視すべき」「アンチはブロックすべし」と、しつこくマインドコントロールする事もあります。
また、アンチ(=敵)と認定することにより、その敵をやっつけるために集団が一致団結することで連帯感が生まれる事もあります。
この連帯感は時に「絆」や「繋がり」というポジティブな言葉で表現されることもありますが、一方で胡散臭いビジネス特有の(指摘してくる人含む)異なる意見を持つ人への異常なまでの排他的な空気感の正体とも言えます。
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