筆者が大学生だった頃、人間関係や就職活動、夜型生活などの悩みで大学に行きづらくなった時に、大学の心理のカウンセリングルームに行って相談したことがありました。
しかし、大学に限らず中学や高校などの学生時代にカウンセリングを受けると、周囲から「あいつはカウンセリングに言ってて恥ずかしいやつだ」とヒソヒソ噂話をされるのが恐れて、悩みを抱え込んでしまう学生さんも少なくありません
学校によっては、カウンセリングという言葉に抵抗がある学生に配慮して、学生相談室であったり、心の相談室というように名前を変えて抵抗を取り除く試みをしているケースもよく見かけますね。
筆者も最初はカウンセリングそのものに対しては、あまりいい印象を抱いておらず、カウンセリングを受けることで「自分はメンタルが弱い」という事実をいやでも認めなければいけないという気持ちが強かったと、過去を振り返り感じています。
ですが、あの時カウンセリングの先生と色々話せた経験があったおかげ、自分のメンタルの特徴やストレスに対するメンタルの保ち方を学ぶきっかけになり、結果としてはカウセリングを受けてよかったと感じています。
今回は、筆者の経験を元に大学生活での悩みを相談できる、カウンセリングルームの行き方や効果についてお話しいたします。
大学のカウンセリングルームへの行き方・受け方など
カウンセリングの予約は事前に取る
筆者の通っていた某国立大の場合ですが、カウンセリングの時間は毎週決まっていましたが、その時間であればいつでも行っていいというわけではなく、事前に予約をしてから相談しにいくい仕様でした。
空いていれば予約した次の日にカウンセリングを受けることもできましたが、既に相談希望をしている人が多くいる場合は、2~3週間後に相談を受けたこともあります。
時間は1回40分ほど。頻度は2週間~1ヶ月に1回
筆者の大学時代の場合は、キャンパス内にある保険管理センターにてカウンセリングを受けることができました。
時間は1回につき40分ほどで、2週間~1ヶ月に1回のペースで定期的にカウンセリングを受けてきました。
また、カウンセラーの先生は当時は2人ほどおり、最初は両方のカウンセラーによるカウンセリングを受けて、その後自分にとって話がしやすい方に継続してカウンセリングをお願いしたという形です。
料金について
筆者の経験談になるますが、大学在学中のカウンセリングは無料。
学生のメンタルの健康のために、予約さえすれば誰でも気軽に無料で相談できる仕様になっていました。
他の大学でも在学生のカウンセリングは無料ところが多いですが、もしも気になる場合は、所属している大学のホームページなどで確認してみるようにしましょう。
守秘義務について
大学のカウンセリングも一般に行われているカウンセリング同様に守秘義務があり、話した事が第三者に漏れる事はありません。
人に言いにくい話(大学生ならアカハラやセクハラなど)をしに来ている場所なので、その話がカウンセラーと相談者以外の人に漏れてしまうことは、今後のカウンセリングに悪影響が出たり、ハラスメントを行っている加害者に知れ渡ってしまい事態が悪化することを避けるために、守秘義務を守ることは徹底されています。
大学のカウンセリングでやったこと
悩みを聞いてもらう
いわゆる自分の大学生活、就職活動、人間関係、将来のことなどについて話すことです。
カウンセリングのメインは、相談者がカウンセラーに自分の悩み事などを話を聞いてもらうことになります。
大学のカウンセリングはあくまでも話を聞くのがメインであり、普通の授業や進路相談のように「○○したほうがいい」「○○しなさい」とアドバイスや助言をもらう事は少ないです。
また、悩みを聞いてもらう中で、カウンセラー方から質問が来ることもありますが、もしも質問の内容が話したづらいこと、話しにくいことであれば、無理に話さずに断ることもできます。
カウンセリングで説教のように問いただすような話し方をしてしまうと、相談者を精神的に追い詰めてしまうことになるので、あくまでも相談者のペースに合わせてカウンセラーは話を聞くのが主な流れとなります。
話の内容に対してアドバイスをもらう
カウンセリングは相談者の話を聞くのがメインではありますが、場合によっては簡単なアドバイスや助言を行うこともあります。
大学のカウンセラーの場合、同じく大学生の悩みをたくさん聞いてきたカウンセラーの経験から、相談者である大学生に合いそうなアドバイスをしやすいという特徴もあります。
もちろん、より的確なアドバイスを受けるためには、相談者が自分が悩んでいることや困っていることをカウンセリングを通して話していく作業が必要であり、ある程度時間がかかる事は念頭においておくのが良いでしょう。
箱庭療法を行う
筆者が行ったカウンセリングルームでは、(最近使わた形跡はないですが)箱庭療法で用いる、ミニチュアのおもちゃが飾ってありました。
個人的に箱庭療法の名前を知っていたので、カウンセリングの中で何度か箱庭のおもちゃを使って、箱庭内を自分好みにアレンジしたこともあります。
箱庭療法は、一度やったから悩みが晴れる…というものではありませんが、箱庭作りをしていく中で、自分のこだわりや思考の癖、アレンジしたものの置き方などをカウンセラーの方と一緒に話しながら行うことで、自分自身を客観的に見る作業の一つのように感じました。
箱庭そのものは、治療やカウンセリングといったお堅いものではなく、遊びや暇つぶしのような感覚で行いながら、言葉ではなかなか表現できない自分の考え方の癖を見つけるための作業という感じで行っていたのだと分析しています。
大学のカウンセリングは話を聞くのがメイン
カウンセリングと聞くと、どうしてもアドバイスを受けたり、悩みを解決してもらうと考えている方が多いように感じます。
カウンセリングと一口に言っても、例えば「就活カウンセラー」という名前を(自称で)名乗って仕事で活躍している方の影響を受けて、「カウンセラー=職業コンサルタント、コーチ、メンター」のような、相談者の悩みに対してアドバイスをする人だと紐付けているために、このような現象が起きているのだと考えています。
上にも書きましたが、大学の心理カウンセリングはあくまでも、話を聞くのがメインであり、何かアドバイスをしてくれるということはあまりなく、最初からアドバイスをしてくれることを期待して相談に行くと、期待はずれに感じるかもしれません。
大学のカウンセリングの効果
前述の通り、基本的には自分が今抱えている悩みや困ったことをカウンセラーの先生に話すことがメインであり、お医者さんのように「ああしなさい」とか「これはやったらダメ」だとかというイメージをカウンセリングに抱いている方にとっては、あまり効果を感じられないと思います。
もちろん、カウンセラーの先生によっては、話を聞くだけではなく具体的に人間関係や生活改善のためのアドバイスをしてくださる方がいることもあります。
例えば、夜型生活のせいで大学の講義に出席できなくなってしまったときは、夜型生活改善のための必要なアドバイスを受けたり、今の生活サイクルがどうなっているのかを話て改善に向けて話あったこともあります。
なお、筆者が受けたカウンセリングでは、普段から大学生をメインにカウンセリングをしているためか、若い人の話題について関心を持っていたり、話を合わせるのが得意な方であったため、年齢が離れていてもそれなりに話すのに苦労を感じませんでした。
また、具体的に悩みや困り事をひとりで抱え込むのではなく、誰かに話してみるだけでも安心感が得られたり、話した結果解決策が見つからなくとも「話を相談できる人がいる」ということが、心の支えのように感じることもありました。
大学生になると、今まで受験勉強のために我慢を積み重ね必死に努力してきた人が燃え尽きてしまいやる気を失ってしまうことはよくあることで、そのまま大学を退学してしまう人もいます。
大学に来なくなったり、退学してしまう人に共通しているのは、カウンセラーの人も含めサークルの同期、先輩、後輩、教授といった大学関係者の誰にも自分の悩みや不安を打ち明けられず、ひっそりと大学から姿を消してしまうケースです。
もちろん、悩みがカウンセラーの先生と数十分話しただけでまるっと解決する、というのはあまり考えられませんが、それでも誰にも相談できないという状況よりも、悩みを誰かに相談できるという状況の方が、精神を安定させるためには何より有効です。
また、大学側でも「学内で孤立=休学、退学、留年の原因」と考えている先生方は多く、孤立させないため連絡を取り合うようにしたり、高校同様にクラス制にして授業を受けさせる例もあります。
今現在大学生で、引きこもりがちだったり、ちょっと友達や教授には話せないことがあって追い詰められていると感じている方は、まずはカウンセラーの先生に相談して、困ったことがあったら相談できる人がいる、という状況を作っていく事を取り入れてみるようにしましょう。
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