質問に質問で返す人の心理について

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何か質問をしたのに「逆に聞きますけど…」と、質問に質問で返す人というのは、なんとなく不愉快というか、イラっとしてしまう人は多いと思います。

とくに、マスコミや有権者から質問を受けることが日常茶飯事な政治家という立場にある人が「じゃあ、逆に聞きますけど…」と質問に質問で返す姿を見ると、その政治家に対して不信感が募り、支持する気が失せるのも無理はないでしょう。

まるで、説明責任から逃れているような苦し紛れな行動に見える、公に説明することができないほど後ろめたい事をしでかしているかのように見え、そんな不誠実な態度に対して怒り、不満、懐疑心を抱くからこそ、支持できなくなるのです。(もちろん、このことは政治家だけでなく、ごく日常的な人間関係でも同じです。)

今回は、そんな質問に質問で返してしまう人の心理についてお話しいたします。

はぐらかしたい、話題逸らしのため

政治家のようなお固い職業に限らず、浮気をしている可能性が疑われる恋人に対して「ひょっとして浮気している?」と聞いたところ「俺(私)が浮気するような人間に見えるのか?」「お前のほうこそ浮気しているのではないのか?」「それってどういう意味だ?なにが言いたいんだ?」と、逆に質問されるのもいい例です。

この行為の裏には、聞かれている内容が喋りたくないもの、聞かれたくない話題であるために、はぐらかす目的や、話題逸らしのためという意図が隠れていると考えられます。

仮に、質問に対して黙秘をしようものなら、「質問に答えない=質問に答えたくない事情がある(つまり「クロ」である)」と暗に示してしまう可能性があるので、何かしら質問に対して嘘でもいいので答えたほうが、自分がシロであることを主張でき、その場をやり過ごせる目処が立ちます。

その方法として、質問に質問で返すという手段を用いているのだと考えることができます。

なお、黙秘とは違って確かに喋って説明っぽいものはしており、質問に答えるだけの誠実さがあるようには見えるものの、冷静に考えれば肝心の質問の内容に対しては触れていないために、違和感や不自然さが顕著です。

また、質問返しが行えるのは質問される方が立場が上、質問をする方が立場が下という上下関係が成り立つ関係に限ります。立場が上の人が下の人からされた手痛い質問に対して、自分の立場にものを言わせて相手を黙らしつつ、自分が質問への返事をしない事を自己正当化しているのと同じです。

傍から見れば立場を利用して下の者を押さえつけて、説明責任から逃れている不誠実極まりない態度と見られやすく、非難や指摘が来てもおかしくない事をしているとも言えます。

質問内容に対する不愉快、怒りの表現

質問の内容が、触れられたくないもの、聞かれたくないものであり、不快感を抱いているものの、その不快感を率直に表すと相手との関係悪化や自分の印象悪化を招くおそれがあるものです。

しかし、聞かれたくない事を聞かれている不快感を放置することができず、婉曲的ではありますが質問に質問で返すという行為により「その質問の内容は不愉快だからやめてくれない?」と暗に伝えているのだと考えることもできます。いわば、「逆ギレ」の一種と表現するのが適当かもしれません。

また、後述するように逆に質問する行為がうまく行き、会話の主導権を自分が握ることができれば、今度は自分が相手に質問責めをして、今まで受けてきた質問に対する鬱憤を晴らすことも可能です。

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会話の主導権を握りたい

質問をする・されるの関係において、会話の主導権を握っているのは、質問をする側です。

いくら質問を受ける側がたくさん話しているとしても、どんな会話をさせるか、どんな話を喋らさせるかの主導権は、質問をする側が固く握っています。

それゆえに、質問を受ける側は、質問をする側の手のひらの上で踊らされているかのような感覚を覚えたり、誘導尋問のように質問する側が求めている言葉を言うために意図的に操られているかのような不安から、相手から会話の主導権を奪いたいという気持ちが生まれてきます。

質問されている内容が自分にとって不都合なものであれば、質問する側のペースに乗せられてベラベラ喋ったことで、自分から不都合な情報をバラしてしまうという間抜けな事態になりかねません。

そんな自体を防ぐためにも、一種の防衛反応として質問に質問で返して会話の主導権を獲得して、自分に都合のいい会話の状況を手に入れようとするのです。

相手に対してマウントポジションを取りたい

会話の主導権の話と関連しますが、質問をする側に対してマウントを取るために、あえて質問に質問で返すという行為に出ていると考えることもできます。

質問「攻め」という言葉にもあるように、質問を受ける側は質問という名の攻撃をする側の一方的な攻撃に耐えなければいけない不利な立場でもあり、形勢逆転のために質問返しに出て、不利な立場からの脱出を試みていると言ってもいいでしょう。

とくに、質問の内容が自分の過去の不正や過ちを追求するものであり、根掘り葉掘り聞かれれば、自分の悪事が公に明るみになってしまうおそれがあれば尚更です。

多少強引でもいいので質問返しをして、質問をしてくる人に対してマウントを取り、自分にとって少しでも有利な状況に事を進めたほうが、正直に悪事を自白するよりは”まだ”被害を小さくできる可能性もあります。

ただし、こうした強引な質問返しは、苦し紛れさが伝わって相手との信頼関係を失ったり、余計に自分に対して疑いの目を強めてしまう一面もあるため、お世辞にも推奨できるものとは言えません。

ましてや、政治家や経営者のように関係者各位への説明責任を行う立場の人がする行為としては、到底認められるものでもありませんし、受け入れらるものではありません。

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嘘を付くため、不都合な事実を隠し通すため

嘘を付くためや不都合な事実の隠蔽のために、質問返すを用いることもよくあります。

自分の悪事や不正に対して向けられる厳しい質問に対する、何らかの説明・発言が求められている場面において、質問の内容に即しつつも、嘘の内容を言うことは避けたいものでしょう。

一度でも嘘の内容を言ってしまうと、その嘘がバレないように他にもたくさんの嘘を重ねなければいけません。そんなことを繰り返していれば、次第に矛盾が生じたりや辻褄が合わなくなったために「すいません、今まで嘘を言ってました」と自白せざるをえない状況に自分を追い込むオチになるのは容易に想像できるでしょう。

しかし、逆に質問をしてその場を乗り切れれば、嘘を言うことすらしなくて済みますし、当然嘘を重ねて消耗する苦痛からも自分を守ることができます。

また、上述したように、会話の主導権を握り、マウントを取れば自分に都合のいい状況を作ることも可能であり、下手に嘘を言ってやり過ごすよりもローリスク…かもしれません。(無論、リスクが完全に無いわけないのですが…)

ただし、質問に質問で返す行為そのものは、質問に対してしっかり答えていない不誠実極まりない態度であるため、その悪質さに気づいている人からすれば、下手に嘘を付いてごまかす事以上に評判の悪化を招くのも無理はありません。

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国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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