どうして同調行動するの?まわりに流されてしまう心理について

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自分の欲しいものを買うときに自分の主観だけで決めず

  • つい誰かの意見を参考にしてしまう
  • レビューサイトを漁ってみて他の人の意見を調べていい意見があったら買う

という買い方をしていることはないでしょうか?

値段や商品の内容に関わらず、今やあらゆるものを買うときにまずネットにある情報や評判を検索してから購入を決めるのは、もはや当たり前の事と言ってもいいのかもしれません。

また、何か欲しいと思ったものがあっても、ネットの評判が悪くネガティブなレビューがたくさんついていると「やっぱ買うのをやめよう…」となってしまうのも、今のご時世ならよくあることです。

みんなが揃ってマイナスレビューをつけている中、逆張りして買うのは勇気が必要ですし、やっぱりダメだったらどうしよう…という不安もあるので、なかなかできないものです。

このように周囲の意見や反応に即して自分の行動を変えることを心理学では同調と呼びます。

今回はこの同調が起きてしまう理由やその背景などについてお話いたします。

同調とは?

同調とは、周囲の意見に賛同したり、自分も同じ行動をとってしまうことを指す言葉です。

私たち人間は、つい自分の意思を曲げて多数派の意見に流されたり、多数派がとっている行動に釣られてしまうことが多くあります。

意識して自分の意見よりも周囲の意見を重視して同調することもあれば、「なんとなく」「つい癖で」と無意識のうちに周囲に流され同調することもあります。

ミルグラムの同調行動の実験

同調行動に関してアメリカの心理学者のミルグラムが、サクラ(つまりやらせ)を使って街で以下のような実験をしました。

  1. 3人のサクラが特定のビルを見ながら立ち去るという実験を行った
  2. (1)の結果、サクラと同じくビルを見上げた人は全体の6割だった。
  3. 次はサクラを6人に増やし、また特定のビルを見ながら立ち去るという実験を行った。
  4. (2)の場合、サクラと同じくビルを見上げた人は全体の8割だった。

この実験から、サクラの数が多ければ多いほどその行動に影響されて、同調行動をする人が増える事が分かりました。

いくら自分で主体的に考えている人でも同調、周囲の行動を基準にして自分の行動を決めてしまうものなのです

ビルを見上げるという行動だけでなく、

  • 他の人が注文しているものと同じものを頼む。
  • 行列を見て自分もその列に並んでしまう。
  • みんながSNSでシェアしているから、自分もシェアしてしまう。

などの行動も同調行動によるものとみることができます。

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同調によるメリット

安心感を得る

みんながやっている事を自分だけしない。みんなが持っていものを自分だけ持っていないという状況は、

  • 「自分だけ仲間はずれにされているのでは?」
  • 「自分だけ少数派になっているので?」
  • 「自分だけ流行に取り残されているのでは?」

という不安を招きます。

同調にはそういった不安を減らし安心感を得るために行われているという見方もあり、周囲に同調することで、「自分はみんな同じだ」という安心感を得ることができます。

集団に溶け込みやすい、仲良くなりやすい

集団の意見の同調すると、意見の食い違いや衝突を避けられるので、集団に溶け込むために自然と同調してしまう事があります。

また、仲良くなりたい人(集団)に嫌われたくないという思いから、相手の言葉や行動に同調して自分の言葉や行動を合わせることもあります。

  • 本当は嫌だけど、場を荒立てないために愚痴に参加する
  • とにかく悪い印象を残さないために、相手の意見に賛同しイエスマンになってしまう。

なども、同調によるものと考えることができます。

とくに、進学や就職など新しい環境に身を置いた時は期待も大きければ不安も大きいもの。とにかく誰かと仲良くなりたい、早く打ち解けたいという気持ちから、いつも以上に周囲の行動に対して同調してしまうこともあります。

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考える時間や労力の節約

なんでもかんでも自分の思い通りに決められるのは自由ですが、その反面時間がかかったり、悩んでしまって労力を無駄にしてしまうデメリットがあります。

何か一冊の本を買うにしても

  • この本は自分の期待に沿った内容が書かれているのか?
  • この本は読み応えのある本なのだろうか?
  • この本は貴重な時間を費やすだけの価値があるのだろうか?

など、色々考える時間がない人にとっては、すでに読んだ人の意見が集まるレビューサイトを見て購入するか否かを決めることは、自分の考える時間や労力を節約することにつながります。

レビューサイトがわかりやすく星の数による評価をしているのも、閲覧する人の考える時間をより減らすため、と見る事ができます。

また、自分で読む価値があるかどうかを考えるのがめんどくさい性格の人や、せっかちな性格の人も他の人に同調することがあります。

正解を選びやすい

自分の意見を曲げてしまうのは「間違いたくない」「正解を選びたい」という心理が働いているとみることができます。

多数派と少数派なら多数派の方が正しいことを言っているように感じるのも、多数派なんだから仮に間違っていたとしても自分だけが間違っているわけではないので妙な安心感があるために、つい周囲に流されてしまうのです。

例えば、ある問題でAとBとを選ぶある場面において、多くの人がAだと言ってると「なんとなくAが正しいのではないか?」と感じる事があります

そして、「自分は本当はBが正解だと思うけど、他の人がAだと言ってるからAが正解だと思う」と周囲に流され自分の意見を曲げてしまうことがいい例です。

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安易な同調は長い目で見ると損をするケースも

同調をしてしまう場面は

  • 自分に自信がない
  • 自分の判断に疑問がある
  • 漠然とした不安に襲われている

などの場面が多く、安易に周囲に同調すると簡単に安心感が得られますが、長い目で見れば間違った行動をしてしまう事があります。

例えば脱サラしてフリーランスになった人によく見られるのが、他の成功しているフリーランスの人に過度に賛同して、馴れ合いやおべっかを使うという行動。

フリーランスのようにサラリーマンと違って将来の不安が大きい仕事は、その不安に押しつぶされないために、自分よりも知名度のある人にすがったり、その人の意見や考え方に同調することで不安を払拭しようとすることがあります。

しかし、同調した相手が

  • 炎上商法を頻繁に用いている。
  • サラリーマンや公務員を下げて、フリーランスを持ち上げる発言をしている。
  • 悪徳商法、情弱ビジネスなどグレーな商売に手を出している。

など、安易に同調することで自分の評判や信用に影響が出かねない行動をしている人もいます。

短期で見れば同調による安心感を得ることができる一方で、長期で見ればフリーランスとしての評判を下げたり、「あの胡散臭い人の賛同者」だと思われることで、仕事に影響が出てしまうという懸念もあります。

とくにネット上だと、何かと過激で攻撃的な発言をすることでバズ(というか炎上)を狙い宣伝するといいう商売を仕方が確立されていることもあり、不安があるからといってネット上で立場の強い人の意見に安易に同調する際には、相手の行動を冷静に見る事が必要です。

不安が大きいからこそ、発言力の強い人や多数派と思われる意見について行きたくなるものですが、周囲に流されて自分を見失うことがないようにしたいものですね。

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同調は同調圧力を生むことも

日本の場合だと空気を読むことや、集団の和を乱すような行動を慎むことが良しとされる文化もあってか、同調して周囲と同じ行動を取ることが良い事だと見られることもあります。

しかし、同調しすぎるあまり

  • 集団の意見に外れるようなことをしてはいけない。
  • どんな時でも集団の意見を優先するべき。
  • 少数派の人は多数派の人に合わせるべきだ。

などの同調圧力を生むことがあります。

同調圧力は、集団とは違う意見を持つ人を「変な人」だと見るだけでなく「変な人だから叩いてもいい、嫌がらせをしてもいい」という考え方を生む原因にもなります。

同調圧力が強い集団では、自分の意見を自由に言えないストレスに苦しむものの、集団から抜け出すと嫌がらせを受けたり、裏切り者だとしていじめに遭う可能性があるので抜けるに抜けれず苦しい思いをすることになります。

また同調圧力をかける側は、自分の意見に同調しないものは敵、アンチ、という極端な思考を招くこともあり、差別や偏見そのものを正当化してしまうこともあります。

同調行動に関する他の心理学用語

集団心理(群集心理)

集団心理(群集心理とも)は、

人間が集団になった時に見られる特殊な心理状態のこと

人間は集団になると、

  • 衝動的な行動をとる。
  • 非合理的な行動をとる。
  • 罪悪感や責任感が薄れてしまう。
  • 集団がカルト化する。

などの行き過ぎた行動をとってしまう事があります。

同調同様に「みんなやっているから」という妙な安心感ゆえに、自分の行動の異常さが自覚できなくなってしまうのです。

集団極化

集団極化とは

人は集団になると意見が極端になるう現象のこと

集団極化には、リスクのある方向に話が偏る「リスキーシフト」と、反対にリスクのない方向に話が偏る「コーシャスシフト」の2種類あります。

傍観者効果

傍観者効果とは、

周囲に多くの人間がいる場合、自分から積極的に行動を起こさなくなってしまう現象のこと

いわゆる「見て見ぬふり」をすることがこれにあたり、いじめや事件が起きた時に他の人の様子を見て、何もしないことに徹してしまうことは同調とも共通点があります。

国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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