HSPのこども(HSC)と不登校

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繊細で人一倍敏感な気質であるHSPの子供(HSC)にとって、学校という環境は多くの刺激、それも不安や緊張、恐怖などの不快感へと繋がるものが多く、学校にいても気持ちが落ち着かなくて疲れたり、通うのが辛くなって不登校になることがあります。

しかし、教育の場では、まだHSPおよびHSCの概念が十分に広まっておらず、理解が得られにくい。また、親の方も自分の子供の敏感さや繊細さに対して無理解であり「どうして普通に学校にいけないの?」と問い詰めてしまうことで、子供が生きづらさを抱えてしまうこともあります。

今回は、HSPの子供(HSC)と不登校にまつわる背景や対策などについて、お話しいたします。

HSPのこどもの(HSC)が不登校になる原因・背景

HSPの子供(以下「HSC」と呼ぶ)が不登校に陥る原因や背景には、

  • 刺激への敏感さから学校生活にストレスを感じやすい。
  • 同年代の子供・先生との相性が悪かった。
  • いじめや嫌がらせを受けて深く傷ついた。
  • その他の学校生活全般に対する不適応

などがあります。一つが問題となって起きる場合もあれば、複合して起きることもあります。

刺激への敏感さから学校生活にストレスを感じやすい

HSCが持つ刺激への敏感さは、味・音・肌感覚などの五感で感じるものばかりではなく

  • 先生が怒っている時に広がる緊張した空気感。
  • 同年代の子供たちが楽しそうに騒いでいる雰囲気。

などの、言葉では説明しにくい、感覚や雰囲気といった刺激に対しても敏感です。そして、それらの刺激を強く感じてしまって人一倍疲れを感じやすく、一人になって落ち着ける時間や空間を欲します。

しかし、学校生活においては、一人でおとなしく過ごしている姿がかえって目立ってしまい、嫌な注目を浴びてしまった。「あいつは一人で寂しいやつだ」というレッテルを貼られて笑い者にされたことが原因となり、不登校に陥ることもあります。

同年代の子供・先生との相性が悪かった

HSCにとって、同年代の子供や先生との相性は、自分の学校生活が穏やかに過ごせるものになるか、それともストレスだらけになるかを大きく左右します。

例えば、クラス内の人間関係が荒れており、乱暴な子がクラス内のヒエラルキー(=スクールカースト)の上位になった。そして、大人しい子に対して嫌がらせをしたり、威圧して恐怖でクラスをまとめるような状況だと、HSCにとって学校はストレスフルな環境と感じてしまいます。

先生の場合なら、いわゆる体育会系の先生のように声や態度、リアクションが大きくて情熱的な指導をする先生は、声・態度・雰囲気など先生自身が発する刺激が強いあまりに、HSCにとっては動揺して緊張感を感じやすい相手と感じてしまいます。

先生自身に「驚かしてやろう」「子供にキツく言って叱ってやろう」という、意図がなくとも、HSCにとっては「声や態度が一々大きくて、一緒にいるのが辛い先生」と感じ、通学への意欲が減退するのです。

いじめや嫌がらせを受けて深く傷ついた。

ほとんどの子供にとって、いじめは不快なものですが、そのことはHSCも同様です。

そして、HSCは持ち前の繊細さゆえに

  • 些細ないじめでも深く傷ついてしまう。
  • 傷ついた経験が強く記憶に残り、トラウマになる。
  • 嫌なことがあっても気持ちの切り替えが難しく、憂鬱な気持ちを引きずる。
  • 些細なことでもひどく動揺するために、同年代の子から「いじると反応が面白い」と思われてしまう。(=「いじり」から「いじめ」に悪化する。)

など、いじめに対する悩み、不安な思いを抱えます。

なお、些細なことにも敏感であることは、言い換えれば「神経質であり扱いが難しい子」というネガティブな印象で語られてしまう。そして、ネガティブ印象のせいで「あいつの神経質のせいで周囲の輪を乱すから、いじめられても仕方ない」という流れになりやすい可能性があるとも言えます。

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その他の学校生活全般に対する不適応

同級生、先生など、学校の対人関係だけに限らず

  • 校則や校風が厳しすぎてHSCに合ってない。
  • 給食で苦手なものが多い。(=味覚への敏感さ、繊細さ)
  • テストや宿題が多いことに過度なストレスを感じている。
  • 満員電車など、通学手段に対して過度なストレスを感じている。
  • 朝早く起きなければいけない、夜遅くまで部活や委員会で忙しいなど、生活リズムに関わる問題。

など、学校生活に関連するあらゆることが、HSCにとっては強い負担として感じられ、不登校に繋がることがあります。

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もしも自分の子供(HSC)が不登校になったらどうすればいいのか?

HSCにとって学校は刺激が多くて辛いものと感じています。

しかし、親からすれば「他の子は問題なく学校に通えているのに、なんでうちの子だけ通えないの?」と思ってしまいがち。そして「なんで?」「どうして?」と、つい子供に強く問い詰めるような言葉で接してしまいがちです。

問い詰めてしまうことは、HSCにとっては「繊細な自分はおかしい」「あなたは普通の子とは違う」と突きつけられるようなものです。

「繊細=弱い、悪、迷惑、罪」のような態度で接してしまえば、自己肯定感や積極性が失われ、ますます学校から足が遠のきます。(場合によっては口を閉ざして引きこもりになることも)

そうならないためにも、まずは親自身が子供の繊細さを理解し、受け入れる環境を家庭で用意することです。

例えば「辛かったんだね」と、まずは子供の辛さに寄り添って受け入れることで、家庭だけでも安心できる環境を整える。

他にも、無理に学校に通うように急かすのではなく、かと言って完全に無視して「いない子」として扱うわけでもなく、適度なコミュニケーションを交わして、子供が安心できる居場所をつくるように心がけましょう。

学校に再び行けるようになるために

もちろん、親も子も「今は不登校だけど、いずれは復帰したい」とお思いになっていることでしょう。

しかし、HSCにとって不登校の状態からいきなり完全な復学を目指すのは、今までとの環境の変化の激しさから、心身ともに大きな負担になりがちです。

ですので…

  • 保健室登校から始める。
  • 半日登校、一日通ったら次の日は休む。

のように、ある程度段階を踏んで、完全な復学を目指すのを目標にしましょう。

なお、復学に関しては担任の先生、学年主任の先生、保険教諭、スクールカウンセラーの先生など、学校側とよく相談し、話し合った上で進めることも視野に入れておきましょう。

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フリースクールや転校も方法の一つ

もちろん、いじめが多発している、学校が荒れたまま放置されている…など、どうしても今の学校に通い続けるのが、HSCにとっては重荷だと感じた場合は、フリースクールに通ったり、転校して新しい刺激の少ない環境で過ごすことを検討してみるのも方法の一つです。

不登校の問題は、不登校になる子供だけの努力ではどうにもコントロールできないものもあり、通う学校を変えることで不快で危険な場所から避難することも、場合よっては必要です。

なお、フリースクールおよび転校を検討する場合は、どちらも新しい生活環境が子供にとって安心できるものなのか、刺激が少なくて落ち着いて生活できるものなのかを親子で一緒によく調べて確認しておくことが大事です。

ホームページなどのネット上で情報収集したり、実際に足を運んでみて確かめてから、通うかどうかをよく決めることをおすすめいたします。

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参考書籍

国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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