好きなアニメが最終回を迎えてしまい、やる気が出なくなる、倦怠感や脱力感といった症状に悩まされている人たちがいます。
アニメが終わってしまうと、まるで自分の人生の目標を見失ってしまったかのような喪失感に襲われてしまう。いわゆる「燃え尽き症候群」と同じような状態になってしまいます。
そのような症状のことを、インターネット上では「アニメ燃え尽き症候群」と呼んでいます。
アニメ燃え尽き症候群とは
番組改編期にあたる3、6、9、12月末は、深夜アニメをよく視聴している人にとっては一番憂鬱な気分になる時期として認識されています。
その時期は、ちょうど1クールのアニメが終盤に向かって話が進み出して、最終回へと向かう時期であり、最終回が近づくにつれてだんだんブルーな気分になってしまう。最終回を通過すると、喪失感に悩まされてしまうということがあります。
とくに、視ているアニメが自分のお気に入りの作品であればあるほど、それが最終回を向かえると喪失感が大きくなり、真っ白に燃え尽きてしまうことがあります。
部活動を引退した時や、定年退職後によく起きる「燃え尽き症候群(バーンアウト)」が、アニメを視聴することでも起きてしまうのです。
アニメ燃え尽き症候群の症状と原因
アニメ燃え尽き症候群では、実際の「燃え尽き症候群(バーンアウト)」同様、心にぽっかり穴が空いてしまったように、気力がなくなってしまい何もやる気が起こらなくなってしまいます。
無気力、倦怠感、抑うつ気分、やる気の低下が起きる事で、日常生活にも影響が出てしまい、精神的に不安定な状態が続いてしまうことになります。
アニメを視る目的が「日頃のストレスを癒すため」「一週間の楽しみ」という場合、最終回を迎えると「ストレス解消のためのアニメが終わってしまう。来週から何でストレス解消をすればいいのか」「楽しみだったアニメが終わってしまう。来週からの何を楽しみにしていけばいいの」という、ネガティブ考え方になってしまいます。
アニメに対して強い感情移入をしていたり、現実逃避の意味合いをもって視聴していればいるほど、最終回を迎えると憂鬱な気分が増し、燃え尽きる原因になってしまいます。
また、ある程度年齢を重ねたオタクにあるのが、アニメを視聴する事に気力や体力を想像以上に割いているというケース。アニメのようにテレビ画面を見続ける行為であっても、想像以上に気力や集中力を使っていて、見終わったら疲労感を覚える。
そんな行為を毎週続けていたら、疲労感も溜まってしまい、最終回を迎えると疲労感がキャパシティを超えていて、燃え尽きてしまうとケースもあります。
ちなみにですが、この言葉がよく使われるジャンルにも、ある特徴があります。
いわゆる可愛い女の子がよく登場し、リラックスや目の保養になるような内容が多い、日常系のアニメを視聴する人ほど、萌え付き…もとい燃え尽きてしまう傾向があります。
アニメ燃え尽き症候群から抜け出すためには
アニメには最終回があるという事を自覚する
自分が好きなアニメは、放送枠やスポンサーの都合上、必ず最終回を迎える日が来てしまうものです。
そんな事は言われなくてもわかっていると思いますが、最終回の無いアニメはないという事を自覚しておく事で、ショックを和らげることができます。
次のアニメを調べて楽しみをスケジュールを立てる
最終回を迎えてしまった以上、いつまでも終わってしまったアニメにばかり気を取られてネガティブになっていては、これから放送される新しい作品を視るエネルギーが貯まりません。
最終回を迎える前に、次に放送されるアニメのタイトルや日付をチェックして、それを視聴する、というスケジュールをあらかじめ立てておくことで、燃え尽きてボーっとしてしまう事を防ぐことができます。
アニメの最終回を迎えて、その後のスケジュール帳が真っ白、やることが何もない状態では、いつまでも憂鬱な気分を引きずりがちになってしまいます。
アニメに対して期待や依存をしすぎない
アニメを見続ける中で、ストーリーやキャラクターに感情移入しすぎてしまい、アニメ無しではいられないような依存した状態になってしまうこともあります。
しかし、そんな熱中できるアニメも、いずれ最終回を迎えるのは仕方の無いこと。熱中しすぎた受胎では、アニメが終わってしまうと燃え尽きるリスクは高まります。熱中しすぎないように自分の中の期待心や熱中度合いをある程度柔軟にできるように、アニメとの上手な距離感を取れるようにしましょう。
複数の趣味を持つ
日常生活の中でアニメ視聴が占めるウェイトが大きいほど、アニメが終わってしまった時の喪失感も大きくなります。
それを防ぐためにも、アニメ視聴以外の趣味を持つという方法があります。アニメに関連した創作活動や同人活動、コスプレやブログなどの趣味であれば、関連があるので始めやすいですね。
アニメ視聴のようにただ受動的な趣味だけでなく、創作活動のような自分から何かを作り出す趣味も同時に持つと、例えアニメが終わってもそれらの趣味を続けることもできます。
アニメ以外のストレス解消法を持っておく
アニメ視聴がストレス解消の主な方法になっていると、「アニメが終わってしまう=ストレス解消ができなくなる」という思考になり、メンタルに悪影響が出やすくなります。
そうならないためにも、アニメ以外のストレス解消法を習慣にするという方法があります。上にも上げたように創作活動やスポーツなどでリフレッシュすると、憂鬱な気分が長引かないようになります。
また、アニメなどのオタクの道に入ってしまう人に特徴的なのは、他人とコミュニケーションをとるのが下手で、アニメにはまってしまう人。そういう人は普段からストレスを抱えても誰にも相談出来ないために、ストレスを抱えやすい環境であると言えます。そのような環境では現実逃避のようにアニメに没頭してしまい、最終回を迎えると燃え尽きるリスクも高まります。
それを防ぐにはアニメを通してコミュニケーションできる友人を作りに行くこと。悩みを相談できるような環境を作るだけでも、ストレスを抱え込むリスクが減り効果的です。何より、誰にも相談できない環境から、何かあったら相談できる人がいるという環境が、心の余裕になります。
・休んでエネルギーが回復するのを待つ
アニメ以外の燃え尽き症候群では、なんとかやる気や気力を回復させようと無理に頑張ると、かえってやる気や気力が減退することがあります。無理に頑張ると回復どころか、それが大きなストレスとなり、かえって気力や体力の消耗してしまっている、という状況です。
その時に用いられているのは「休む」という治療方法。無理に頑張って残り少ない気力を減らすよりも、しっかり休養をとって気力を回復させることで、燃え尽き症候群を治していくという狙いがあります。
そもそも、燃え尽きてしまうというのは、心も体もキャパシティを超えてしまっているために起きてしまう状態です。それはアニメ燃え尽き症候群でも同様です。
自覚は無くてもアニメを視聴するのには気力や体力が必要です。最終回を迎えるうちに自分の気力や体力が減ってしまい、最終回と同時に「0」になってしまう。だから燃え尽きてしまったという事も考えられます。
その場合は、気力が回復するまでじっくり休む。新アニメを無理に見続けようとせず、アニメから距離をとって気力や体力を養って、また自然と「アニメが見たい」と思えるまでじっくり待つという方法です。
アニメでも気持ちの切り替えが大事になる
アニメ燃え尽き症候群は基本的には一過性の症状であり、時間とともに次のアニメが開始されたり、何か他の打ち込めるものが見つかると、脱力感などの症状は自然と無くなっていくことが大半です。
しかし、気持ちの切り替えが上手ではないと、なかなか憂鬱な気分が消えずに日常生活に影響が出てしまうこともあります。
アニメ終わってしまったという過去の事実にいつまでも囚われるのではなく、次にくる作品やアニメ以外の別のメディア(マンガ、小説など)にも目を向けるなどの対処法を行い、憂鬱な気分が引きずらないようにする行動をしていくことが大切です。
ちなみに、現在筆頭スポンサーの債務超過が大変な事になっている、国民的人気アニメのサザエさんでは「サザエさんが終わると月曜日が近づいてくる」というイメージが強く結びついています。そのため、サザエさんが終わると憂鬱になる「サザエさん症候群」はという言葉は有名ですね。
サザエさん症候群のように、月曜日が憂鬱に感じる現象は、一般的には「ブルーマンデー」と呼ばれており、サザエさんが放送されていない海外でも使用されています。
日曜日の終わりになると、「明日から月曜日(仕事や学校)が始まるから気分が落ち込むなぁ…」という同様の憂鬱感を感じる人がいます。
何かの終わりは何かの始まりですが、その何かの終わりにいつまでも囚わネガティブな思考に飲み込まれたままでは、現在や未来の自分にまで悪影響が出てしまいますね。
楽しいはずのアニメでもあっても、気持ちの切り替えを上手くすることが、燃え尽きずにメンタルをいい状態に保つためのコツです。