「仕事でリーダーを任されたけど自信がない」「リーダーシップなんて自分には取れない」
同じ仕事をある程度長く続けていると、リーダーに選ばれることがあります。
「自分の努力がやっと認められた!」と喜ぶ人がいる反面で、自分にリーダーは向いていないと感じる人もいるはずです。
先頭に立って他人を引っ張ることにやりがいを感じられず、リーダーという立場にストレスを感じるなら、あえて目立たずリーダーにならない人生を選択できます。
しかし、自分がリーダーに向いていないことが分からず、リーダーを引き受けてしまったために多大なストレスを感じてしまう人もいます。
当記事ではリーダーに向いていない人の特徴をご紹介。リーダーとしての資質がない人を反面教師として、リーダーに相応しい行動・言動を知りましょう。
リーダーに向いていない人の8つの特徴
リーダーに向いていない人の特徴には、以下のようなものがあります。
- 他人への気配りができない
- 部下に仕事の指示ができない
- 全部自分だけでやろうとする
- 他人の意見を聞きすぎる
- 部下や仲間を褒めない
- 全て他人任せにする
- 他人には厳しいのに自分には甘い
- 指示があやふやで頼りない
1つずつ見ていきましょう。
1.他人への気配りができない
部下や仲間への気配りが足りてない人に、リーダーとしての資質はありません。
頑張っている人たちをねぎらうこともしない。指示を出しても進捗を気にするでもなく、結果を待っているだけ。
仕事が成功しても部下を褒めないくせに、間違うと必要以上に叱りつける。しかも自分のストレスを発散させる目的で怒鳴り散らし、中身のある指示が全くできていない。
上記のように、リーダーというのが上から目線で偉そうにする立場と勘違いしている人は、リーダーをするべきではありません。
リーダーは他人に道を示すための存在です。責任ある立場ではありますが、特別な存在ではありません。
むしろ、他人を導けない気配りのできないリーダーは邪魔でしかないのです。
2.部下に仕事の指示ができない
部下や仲間に何をすればいいのか、しっかりと指示の出せない人はリーダーに向いていません。
誰かに与えられた仕事をこなせるけど、自分では進んで仕事をしない。言われたことばかりをやってきた人は、一見すると仕事ができるのでリーダーを任されやすくなります。
しかし、指示待ちばかりしていた人は、自分から仕事を見つけることができません。
的確な指示を出すこともできないため、仲間や部下との連携も取り方もわかりません。
仕事の内容を把握できていないことから、誤った指示を出してしまうこともあります。
結果、無駄な仕事が増えてしまったり、人をうまく使えないといった状況が生まれます。
指示待ち人間だからといって、必ずしも悪いわけではありません。仕事をしっかりとこなせているのであれば、会社としては必要な人材です。
ただ、リーダーという立場には向いていないというだけ。
指示された仕事を漫然とこなすだけの人は、自分の与えられた仕事の内容を把握していないことが多いのです。
自分の行っている仕事にどんな意味があるのか、どうしたら効率よく仕事を回せるかを理解できていれば、指示を待ってしまいがちな人でも十分にリーダーとして活躍できます。
3.全部自分だけでやろうとする
仕事を全て自分ひとりでやってしまいがちな人は、リーダーにはあまり向いていません。
仕事を抱えがちな人には2種類います。
ひとつは自分ひとりで全ての仕事をやれてしまう人。もうひとつは他人に気を使いすぎて仕事がふれない人です。
仕事を1人でなんでもこなせる人間は、上司からするととてもありがたい存在です。しかし、他人に任せることができないため、人を動かすのが苦手です。
「他人に任せるよりも自分の方が仕事が早い」、「他人にイチから仕事を教えるのが面倒」と、他人を信用せずに自分で仕事を抱えてしまいがちです。
他人に気を使いすぎる傾向にある人は、部下や仲間に仕事を任せると迷惑になると考えてしまいます。
人を使えば仕事は早く回るというのを理解していながら、過度に気を使いすぎるせいで人を動かせなくなっています。
仕事はチームで行うべきものです。自分ひとりがいくら頑張っても、仕事はうまく回りません。それどころか、リーダーしか動かないために仕事が止まってしまう恐れもあるのです。
チームメンバーを信頼できず仕事を割り振ることができないのであれば、リーダーには向いていません。
4.他人の意見を聞きすぎる
他人の意見を聞きすぎて、自分の考えをはっきり示せない人もリーダーには向きません。
人の意見に耳を傾けることはとても大切なことです。
しかし、時にリーダーは部下や仲間の意見よりも、自分の考えを通さなければならない場面ができています。
他人のご機嫌を取るために自分の意見を示さず、相手の意見に同調してばかりでは部下の信頼を勝ち取ることは不可能です。
的確な指示を出して人をまとめることができないため、余計に混乱して仕事が遅れてしまう結果となってしまいます。
5.部下や仲間を褒めない
一緒に働いてくれているメンバーを褒めることもできない人にリーダーは務まりません。
部下や仲間を褒めない人は、「仕事はできて当然」と考えているか、コミュニケーションのとり方を知らない人に多い傾向にあります。
いくら仕事とはいえ、上手くいったら褒めて欲しいと思うのが普通です。褒めるということは相手の成果を認めてあげるということにほかなりません。
上司やリーダーに褒めてもらえれば、やる気にも繋がります。
いくら成果をあげても褒められなければ、達成感も感じられずやる気も低下してしまうでしょう。
褒めもしないのに叱ってばかりだと、部下や仲間からの信頼も失ってしまいます。
「部下や仲間の褒めるところなんてない」というリーダーは、相手のことに関心が持てていない可能性もあります。
部下がどんな仕事をしているのか、どんな成果をあげたのかも分からないということは、現場をまったく把握していないということです。
そのような人は、リーダーには向いていないと言わざるを得ません。
6.全て他人任せにする
部下を信じているからと、全て他人任せにするのも良いリーダーとは言えません。
自分は仕事にノータッチで、部下のやりたいようにやらせておく。部下からすれば怒られることもなく、好きなように仕事ができるのでストレスもありません。
初めのうちは部下も満足するかもしれません。しかし、褒められることもないので達成感も感じられません。
まとめる人間が機能しなければ、現場の規律を保つことは難しくなります。緊張感もなくなり、仕事の質も低下してしまうでしょう。
7.他人には厳しいのに自分には甘い
リーダーは部下の模範となる人物でなければいけません。他人に厳しい代わりに、自分にも厳しくなければ誰も納得してくれません。
部下の失敗にはグチグチといつまでも文句をつけるのに、自分の失敗は謝罪もしない。
それどころか、部下に自分の失敗をなすりつけるような人物は、リーダーになるべきではありません。
「自分が失敗しても、リーダーがカバーしてくれる」と思えるからこそ、部下も失敗を恐れず仕事をすることができるのです。
リーダーが責任逃れのために、部下に失敗を押し付けたり、ちょっとしたミスも許さないような人には誰もついていきません。
8.指示があやふやで頼りない
リーダーは部下や仲間に目的を明確に示す必要があります。目的や行動、主張に一貫性のないリーダーは、頼りない人間としてあっという間に信頼を失ってしまうでしょう。
例えばリーダーから「A案で進めていこう」と言われて作業を進めていたのに、翌日に「やっぱりB案で行きたい」と言われたら、前の日の作業は全て無駄になります。
さらに翌日「C案がベストだと思う、変更して」などと言われたら、「いい加減にしろ!」と怒鳴りたくなりますよね?
リーダーは責任のある立場です。最高の結果を出すために迷うことはあるでしょう。
しかし、自分の考えに自信が持てず、コロコロと主張を変えては部下や仲間が振り回されてしまいます。
せっかく行った作業を台無しにされたら、部下のモチベーションが低下するのも当然です。
リーダーとして活躍する人の5つの特徴
続いては、逆に優秀なリーダーに向いている人、リーダーとしての資質を兼ね備えている人の特徴をご紹介します。
リーダーには向いていないと自覚しているけど、自分を変えたいと思っている人は参考にしてください。
- コミュ力が高い
- 仲間を大切にする
- 明確なビジョンを持っている
- 不満や悪口を口にしない
- 他人のことをよく見ている
1つ1つの特徴を簡単に見ていきましょう。
1.コミュ力が高い
コミュニケーション能力が高い人はリーダーに向いています。
リーダーは人の心を掴むことに長けています。難しい仕事や相手がやりたがらないことをお願いする際も、相手を納得させるような話術を持っています。
また、リーダーに向いている人は、他人と関わる機会を自分から作ります。
会社で働く際に基本となる報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)をしっかりと行い、自分の考えや情報を周りの人達と共有して、いいアイディアはどんどん吸収していきます。
他人と関わることで相手の気持ちを理解することができます。どんなタイミングでどんなことを言って欲しいかを学べるのです。
「相手が褒めて欲しいタイミングで褒めてあげられる」、「相手の能力に見合った仕事を割り振れる」など、コミュニケーション能力が高いリーダーは部下や仲間から信頼を得られます。
2.仲間を大切にする
責任感が強く、仲間を思いやれることも大切な資質です。
仕事は自分ひとりではできません。必ず仲間が必要になります。仕事で共に働く仲間を大事にする人はリーダーに向いています。
「自分でやったほうが仕事が早く終る」という人もいるでしょう。確かにひとつの仕事なら自分ひとりでも終わらせることができるかもしれません。
でも、100の仕事ならどうでしょう?ひとりよりも仲間と手分けした方が早く終わるはずです。
ひとりで仕事をしようとする人は、結局他人を信頼・信用していないのです。
リーダーとしての資質があるのは、仲間を大切にできる人。仲間がいてこそリーダーだということを自覚できている人です。
3..明確なビジョンを持っている
リーダーとしての資質がある人は、仕事で得られる結果の明確なビジョンを持っています。
成功やゴールに向けての明確なビジョンを持った人に、他人はついていくものです。
「この仕事をすることで、こんな結果が得られる!」と確信できればモチベーションも上がります。
成功のビジョンが定まっているので、指示がブレるということもありません。
もし失敗したとしても、成功するための過程とポジティブに考え、失敗した原因を分析して次に活かします。
4.不満や悪口を口にしない
仲間のやる気やモチベーションをいかに上手く高めていけるかが大切です。
部下や仲間の仕事ぶりに不満しか言わない人や怒っているだけの人、陰で仲間の悪口を言っている人がリーダーだったら、あなたは付いていきたいと思いますか?
「もしかしたら自分も悪く言われているかも…」と疑念が湧いてきて、リーダーを信じられなくなるはずです。
信頼できないリーダーのもとでは仕事はしたくないものです。モチベーションも下がってしまい、やる気にもなりません。
本当にリーダーに向いている人は、不満や悪口などネガティブなことは口にせず、仲間の士気を高めようとします。
5.他人のことをよく見ている
リーダーに向いている人は、他人のことをよく見ています。
部下や仲間に仕事を振り分けるのがリーダーのやるべきことです。しかし、向いていない作業をやらせるのは非効率的です。
周囲をよく観察し、誰にどんな能力・資質があるかを見極められるのが得意な人、部下や仲間の個性を見抜いて得意分野を活かせるように、適材適所に人材を配置ができる人はリーダーに向いています。
優秀なリーダーが気をつけていること
世界的に有名なリーダーは、後世に語り継がれる言葉を残しています。
名言を心に刻んでおくことで、苦境に立たされた時に思い出し、支えになってくれるはずです。
ご紹介するリーダーたちの言葉をご自身に当てはめて、あなたの行動を振り返ってみてください。
重要なのは理念と志、ビジョン、そして挑戦
本当にリーダーシップを発揮しようと思えば、重要な順に三つ、僕が思っていることがあります。
一番最初に重要なのが理念と志。二番目に重要なのがビジョンです。そして三番目が戦略です。
(ソフトバンクグループ株式会社創業者 孫正義)
小さなことでくよくよしなければ、相手の心はつかめない
「GNO(義理、人情、恩)を知らなければ、何事もうまくいかないと思っている。
小さなことでくよくよしなければ、相手の心はつかめない。ましてや大きな仕事などできるはずがない」
(株式会社幻冬舎社長 見城徹)
職場の士気を高めることは、即、生産性を高めることにつながる
「リーダーのスピードが、部下のスピードになります。また、職場の士気を高めることは、即、生産性を高めることにつながります。
それを目指して部下の自尊心を育てる努力をするのです」
(女性起業家 メアリー・ケイ・アッシュ)
人を動かすことのできる人は、他人の気持ちになれる人である
人を動かすことのできる人は、他人の気持ちになれる人である。その代わり、他人の気持ちになれる人というのは自分が悩む。
自分が悩んだことのない人は、まず人を動かすことはできない。
(ホンダの創業者 本田宗一郎)
信頼がリーダーに重要な要素である
好かれなくても良いから、信頼はされなければならない。嫌われることを恐れている人に、真のリーダーシップは取れない。
(元プロ野球選手 野村克也)
リーダーに選ばれる意味を考える
リーダーに選ばれることは、王冠を与えられることではない。他のメンバーの実力を最大限に発揮させる責任が与えられるのだ。
(米国の経営者 ジャック・ウェルチ)
リーダーの特徴を知って自分を見直そう!
リーダーに向いている人、向いていない人の特徴を自分と照らし合わせることで、足りない部分が見えてくるはずです。
「自分はリーダーに向いていない」と思っていても、リーダーに任命されることもあります。
リーダーに向いていないからとネガティブになるのではなく、リーダーとして活躍してきた人の言葉を参考にして、理想のリーダーに近づきましょう!